はじめに本書では、Steinberg 製品である Cubase Elements、Cubase AI、および Cubase LE について説明します。
プラットフォーム共通のマニュアルこのマニュアルには、Windows と Mac OS の両方のオペレーティングシステム用の内容が記載されています。
表記規則本書では、表記上およびマークアップの要素を使用して説明しています。
キーボードショートカット初期設定のキーボードショートカットの多くは修飾キーを使用しますが、修飾キーの一部はオペレーティングシステムによって異なります。
システムの設定Cubase を使用するには、オーディオを設定する必要があります。また、必要に応じて、MIDI システムも設定する必要があります。
VST コネクションCubase で再生や録音を行なうには、「VST コネクション (VST Connections)」ウィンドウで入出力バスを設定する必要があります。
プロジェクトウィンドウプロジェクトウィンドウではプロジェクトを見渡しながら全体的な構成を編集したり、各トラックの設定を行なったりできます。
プロジェクトの操作プロジェクトは Cubase の中心となるドキュメントです。プログラムを操作するには、プロジェクトを作成して設定する必要があります。
トラックトラックは、プロジェクトの基本的な構成要素です。トラックを使用して、データ (パートとイベント) の読み込み、追加、録音、編集などを行ないます。トラックは、トラックリストに上から下へとリストされ、プロジェクトウィンドウの横幅いっぱいに表示されます。各トラックは、MixConsole 内の特定のチャンネルストリップに割り当てられます。
パートとイベントパートとイベントは、Cubase プロジェクトの基本的な構成要素です。
「選択範囲 (Range)」と編集についてプロジェクトウィンドウでの編集操作は、イベント/パート単位の操作に限定されません。ある範囲 (トラック/時間) を選択して操作することも可能で、つまり、イベント、パート、トラックなどによる「境界線」にとらわれずに操作できます。
再生とトランスポートこの章では、再生機能とトランスポート機能をコントロールする方法について説明します。
バーチャルキーボードバーチャルキーボードを使用すると、コンピューターキーボードまたはマウスを使用して、MIDI ノートを演奏したり入力したりできます。MIDI キーボードが接続されていないときや、MIDI ノートを鉛筆ツールで入力したくないときに便利です。
録音Cubase では、オーディオと MIDI を録音できます。
MIDI とオーディオのクオンタイズ「クオンタイズ」とは、録音されたオーディオまたは MIDI を移動し、音楽的に意味のある最も近いクオンタイズグリッド位置に置くことです。クオンタイズはタイミングの補正が目的ですが、クリエイティブな作業を行なうためにも使用できます。
フェードとクロスフェードフェードを使用すると、オーディオイベントまたはオーディオクリップの最初や最後の音量を徐々に増減し、なめらかに移行させることができます。
アレンジャートラック (Cubase Elements のみ)Cubase のアレンジャー機能では、プロジェクト上の時間軸を気にしないで作業できます。アレンジャートラックを使用することで、ある範囲 (セクション) をいつどのように再生するかを指定できます。ライブパフォーマンスにも活用できます。アレンジャートラックを活用することで、プロジェクトウィンドウ内でそれぞれのイベントを移動、コピー、貼り付けする必要なく、作業を行なえます。
マーカーマーカーは、たとえば特定の位置をすばやく見つけるのに使います。マーカーには、ポジションマーカーとサイクルマーカーの 2 種類があります。
MixConsoleMixConsole はステレオでミックスを作成するための共通の環境です。MixConsole を使用すると、オーディオチャンネルと MIDI チャンネルの両方に対してレベルやパンをコントロールしたり、ソロ/ミュートを切り替えたりできます。また、複数のトラックやチャンネルに対して入力と出力のルーティングを同時に設定できます。
オーディオエフェクトCubase には、数々のエフェクトプラグインが付属しており、オーディオ、グループ、インストゥルメント、ReWire (Cubase LE にはありません) チャンネルの処理に使用できます。
オーディオ処理とその機能Cubase でオーディオを処理する場合、作業内容を随時取り消したり、元の状態に戻したりできます。このように操作をやりなおせるのは、オーディオファイルそのものは処理の影響を受けないためです。
サンプルエディターサンプルエディターには、選択したオーディオイベントの概要が表示されます。サンプルエディターでは、波形を見ながらオーディオクリップを編集できます。この編集操作には、切り取りと貼り付け (カットアンドペースト)、削除、鉛筆ツールを使用した描き込み、オーディオ処理などがあります。編集は非破壊的に行われるため、変更操作はいつでも取り消すことができます。
ヒットポイントヒットポイントは、オーディオファイル内の音楽的に意味のある位置を示します。 Cubase では、オーディオの始まりとメロディーの変化を分析することで、これらの位置を検出してヒットポイントを自動的に作成できます。
オーディオパートエディターオーディオパートエディターには、選択したオーディオパートの概要が表示されます。切り取りと貼り付け (カットアンドペースト)、クロスフェード、レベルカーブの描画、またはパーツの処理により、パーツの表示、試聴、編集を実行できます。編集は非破壊的に行われるため、変更操作はいつでも取り消すことができます。
サンプラートラックによるサンプル再生のコントロール (Cubase Elements のみ)サンプラートラック機能を使用すると、オーディオサンプルライブラリーのあらゆるオーディオを、MIDI 経由で半音階ずつ再生できます。特定のサンプルに基づいて新しいサウンドを作成、編集して、既存のプロジェクトに統合できます。
プールオーディオトラック上で録音するたびに、ハードディスクにファイルが作成されます。そしてこのファイルへの参照情報であるクリップも、プールに追加されます。
MediaBayMediaBay を使用すると、複数のソースのすべてのメディアファイルやプリセットを管理できます。
オートメーション本質的に、オートメーションとは「特定の MixConsole やエフェクトのパラメーターの持つ値を記録すること」を意味します。最終ミックスを作成する際に、これらのパラメーターのコントロールを Cubase が行ないます。
VST インストゥルメントVST インストゥルメントは、Cubase の中で動作するソフトウェアシンセサイザーやその他の音源です。これらは MIDI を使って PC 内部で再生され、エフェクトや EQ を追加することもできます。エフェクトまたは EQ を VST インストゥルメントに追加できます。
Cubase のリモートコントロールCubase は MIDI 経由でコントロールできます。
MIDI リアルタイムパラメーターMIDI リアルタイムとは、MIDI トラックまたはインストゥルメントトラック上の MIDI イベントを、MIDI 出力に送信する前に変更または変換することです。この機能により、MIDI データの再生方法を変更できます。
MIDI の各種機能この章では、「MIDI」メニューに用意されている、さまざまな MIDI の機能について説明します。これらによって、プロジェクトウィンドウや MIDIエディターで、MIDIノートや MIDIイベントを編集できます。
MIDI エディターCubase では、さまざまな方法で MIDI データを編集できます。プロジェクトウィンドウの各種ツールや機能を使用して、広い範囲にわたって編集できます。また、「MIDI」メニューの諸機能を使用して、さまざまな方法で MIDI パートを編集できます。MIDI エディターを使用すると、MIDI データをグラフィカルに表示して手動で編集できます。
コード機能コード機能には、コードを使って作業する際に利用できるメニューが数多く用意されています。
コードパッドコードパッドを使用すると、コードを演奏したり、コードのボイシングやテンションを変更したりできます。ハーモニーとリズムの観点で、コードトラック機能より遊び感覚かつ自然な方法でコード進行を組み立てられます。
オーディオミックスダウンの書き出し「オーディオミックスダウン書き出し (Export Audio Mixdown)」機能を使用すると、プロジェクトの左右のロケーターに挟まれた領域にあるオーディオすべてをミックスダウンし、書き出すことができます。
ビデオCubase は、プロジェクトでのビデオファイルの統合をサポートしています。
環境設定「環境設定 (Preferences)」ダイアログには、プログラムのグローバルな動作を制御するオプションと設定が用意されています。