整合性 (Chase)
「整合性 (Chase)」機能は、新しい位置にロケートして再生を始める際に、MIDI 機器が設定したサウンドを間違いなく再生するようにさせる機能です。この機能により、プロジェクトの新しい位置に移動して再生を開始する際でも、すべての MIDI 機器がプログラムチェンジや各種のコントロールメッセージ (MIDI ボリューム、パン情報など) を正しく設定し、多くの MIDI メッセージを、選択した MIDI 機器に出力できます。
例
プログラムチェンジのイベントが冒頭に挿入されている MIDI トラックがあるとします。このイベントはシンセサイザーをピアノサウンドのプログラムに変更します。
また、第 1 コーラスの始めには、そのシンセサイザーをストリングスサウンドのプログラムに変更する、別のプログラムチェンジのイベントがあるとします。
この曲を再生します。まずピアノサウンドで始まり、次にストリングスに変わります。その第 1 コーラスの途中で再生を停止し、1 つめ (ピアノ) と 2 つめ (ストリングス) のプログラムチェンジの間の位置まで巻き戻し、ふたたび再生します。すると、この部分は本来、ピアノサウンドで再生しなければならないのですが、シンセサイザーはストリングスのプログラムで演奏してしまいます。
「整合性 (Chase)」機能は、これを適切に処理します。プログラムチェンジイベントをチェイスするように設定すると、Cubase は、再生を始める際に、MIDI 情報をプロジェクトの冒頭まで検索し、1 つめのプログラムチェンジを見つけ、これをシンセサイザーに出力します。これで正しいサウンドが設定されます。
他のイベントタイプでも同様の動作を行ないます。「環境設定 (Preferences)」ダイアログの「MIDI」ページにある「イベントの整合性を考慮 (Chase Events)」設定では、新しい位置にロケートして再生を始めるときに、どのイベントタイプで整合性を考慮するかを選択できます。