ハーモニクスの外観/スタイル
アーティフィシャルハーモニクスとナチュラルハーモニクスはどちらもさまざまな方法で記譜できます。Dorico Pro では、発音上のピッチ、押さえるピッチか触れるピッチのいずれか、あるいは押さえるピッチと触れるピッチの両方を、個々のハーモニクスに対して表示できます。
本書では、アーティフィシャルハーモニクスの「スタイル」、ナチュラルハーモニクスの「外観」という呼び方をします。これは、アーティフィシャルハーモニクスのスタイルがそれぞれ異なる演奏技法の使用を意味するのに対し、ナチュラルハーモニクスの外観は演奏技法とは関係がないためです。
ナチュラルハーモニクス
- 上に丸 (Circle above)
-
音符の符頭側にハーモニクスの丸い記号を表示します。通常は、ハーモニクスの発音上のピッチを表わします。初期設定では、フレット楽器に属さないバイオリンなどの譜表のナチュラルハーモニクスに使用されます。
- 菱形符頭 (Diamond notehead)
-
音符の符頭を菱形符頭に変更します。4 分音符以下の長さの音符の場合は黒い (塗りつぶされた) 菱形符頭が表示され、2 分音以上の長さの音符の場合は白い (塗りつぶされていない) 菱形符頭が表示されます。通常は、触れるピッチを表わします。初期設定では、フレット楽器の音符の譜表のナチュラルハーモニクスに使用されます。
- 菱形符頭 (白) (White diamond notehead)
-
音符の符頭を菱形符頭に変更します。音符のデュレーションに関係なく、符頭は常に白い菱形で表わされます。通常は、触れるピッチを表わします。
タブ譜では、選択した外観に関係なく、ナチュラルハーモニクスには常に触れるフレットが表示されます。触れるフレットを計算できない場合は、ピンクのクエスチョンマークが表示されます。
アーティフィシャルハーモニクス
- 標準 (Normal)
-
押さえるピッチを表わす符頭と、触れるピッチを表わす符頭の 2 つの符頭が表示されます。触れるピッチは、倍音に基づいて自動的に計算されます (デフォルトの倍音は第 2 倍音です)。タブ譜では、押さえるフレットが左側に表示され、触れるフレットが右側に括弧付きで表示されます。これは、すべての譜表のアーティフィシャルハーモニクスのデフォルトの外観です。
- ピンチ (Pinch)
-
押さえるピッチを表わす符頭と、発音上のピッチを表わす符頭の 2 つの符頭が表示されます。発音上のピッチは、倍音に基づいて自動的に計算されます (デフォルトの倍音は第 2 倍音です)。タブ譜では、押さえるフレットだけが表示されます。
補足この記譜方法はフレット楽器を使用する場合にのみ選択します。ピンチは、振動している弦をピックアップの近くの節の位置でつまむ演奏技法で、甲高い音が出ます。
- 1 つの符頭 (演奏上のピッチ) (Single notehead (sounding))
-
発音上のピッチを表わす 1 つの符頭が表示されます。タブ譜では、押さえるフレットが左側に表示され、発音上のピッチが右側に括弧付きで表示されます。
- 1 つの符頭 (押さえる位置のピッチ) (Single notehead (stopped))
-
押さえるピッチを表わす 1 つの符頭が表示されます。タブ譜では、押さえるフレットが左側に表示され、触れるフレットが右側に括弧付きで表示されます。