調号のタイプ
Dorico Pro には調号のタイプが複数あり、それぞれ同じ手順で入力、移動、および削除を行なえます。
長調と短調の調号
長調の調号はその平行短調の調号と外見上は同じであり、同じく短調の調号はその平行長調と同じ外見になります。たとえば、B♭ メジャーの調号にはフラットが 2 つあります。これは B♭ メジャーの平行調である G マイナーの調号とフラット数が同じです。違いとして挙げられる点は、スケールの 7 度がマイナーの調号で上がるため、G マイナーの楽譜は一般的に F がシャープになることです。そのため、G マイナーの調号のあとに F♯/G♭ を入力した場合、マイナーの調号の規則に従って、F♯ と表示されます。
オープンキーの調号
オープンキー (無調) の調号は、臨時記号を表示しないため C メジャーまたは A マイナーの調号と同じに見えますが、振る舞いは異なります。
オープンキーの調号においては、臨時記号の表記方法はそのときの旋律の方向に基づきます。旋律が上昇するときはシャープの使用が推奨され、旋律が下降するときはフラットの使用が推奨されます。オープンキーではピッチに序列がないため、同じピッチの表記が、数小節の範囲内であっても、状況によって異なる場合があります。
C メジャーまたは A マイナーの調号では、臨時記号は長調と短調のいずれであるかに基づいて表記されます。たとえば、C メジャーでは旋律が上昇下降いずれの方向であっても、全般的にシャープの使用が推奨されます。同様に A マイナーでは、旋律が上昇下降いずれの方向であっても、G♯ は導音であるため特に使用が推奨されます。
調号なし
一部のインストゥルメントには、楽曲全体の調に関わらず、そのパートに一切の調号を表示しないことが慣例化しているものがあります。このようなインストゥルメントにはティンパニ、打楽器、ホルン、トランペットなどがあり、ときにはハープもこれに加わります。これらのインストゥルメントの「調号なし (No key sig)」バージョンを追加した場合、ホルンやトランペットのような移調楽器であっても、これらのパートに調号は表示されません。
これらのインストゥルメントにはどのピッチも入力でき、必要に応じて臨時記号も表示されます。