ウェーブテーブルシンセシス

HALion のウェーブテーブルシンセシスには、サンプルの再合成から完全に新しいサウンドの作成まで対応できる、幅広い機能が用意されています。

クラシックな減算シンセシスでは、一定の倍音構成で発振した波形がフィルターとアンプを通して送られ、そこでサウンドが形作られます。ウェーブテーブルシンセシスでは、サンプルの特定の部分を抽出し、それを調整してウェーブテーブルを作成できます。ウェーブテーブル内の波形が次々に再生されることでサウンドが進行します。減算シンセシスと同じように、フィルターやアンプなどを使用してサウンドを形成できます。

ウェーブテーブルエディターは、ウェーブテーブルを作成する場所です。ここでは、サンプルをロードしたり、波形抽出マーカーを挿入して波形を追加したり、波形のスペクトラムを編集したり、波形エンベロープを作成したり、ウェーブテーブル内の波形の順序を指定したりできます。

HALion では、サンプルから単一サイクルの波形を抽出して独自のウェーブテーブルを作成できます。単一サイクルとは、波形の長さがちょうど 1 周期であることを意味します。ウェーブテーブルエディターの高度なサンプル分析機能は、波形抽出に適した位置を見つけるのに役立ちます。

HALion ではサンプルから波形を抽出すると、ウェーブテーブルエンベロープが作成されます。エンベロープは「Envelope」タブで編集できます。このエンベロープはウェーブテーブルの一部になるため、新しいエンベロープを割り当てたり設定したりしなくても、ウェーブテーブルをいつでもそのまま使用できます。

ウェーブテーブル内の波形の順序によって、位置を変調したときにサウンドがどのように展開するかが決まります。ウェーブテーブルは最大 256 個の波形で構成され、これらの波形は異なるサンプルから抽出できます。同じサンプルから抽出した連続する一連の波形をシーケンスと呼びます。ウェーブテーブルには、異なるサンプルから抽出した複数のシーケンスを含めることができます。

ウェーブテーブルゾーンのゾーンエディターウェーブテーブルセクションには、ウェーブテーブルの再生パラメーターがあります。ここでは、使用するオシレーターの指定やオシレーターの設定を行なえます。

「Speed」パラメーターを使用してウェーブテーブルの位置を自動的に変調することも、モジュレーションマトリクスで手動で変調することもできます。