表記規則
本書では、表記上およびマークアップの要素を使用して説明しています。
Steinberg 社の Web サイトへのアクセス方法
コントロールパネルの右上にある Steinberg ロゴをクリックすると、追加情報やヘルプを参照できるポップアップメニューが表示されます。
マニュアルについて
マニュアルはオンラインで確認できます。また、ほとんどのマニュアルは、steinberg.help から PDF 形式でダウンロードできます。
設定
HALion Sonic は、さまざまなホストアプリケーションのプラグインとして使用できます。ホストアプリケーションによっては、追加の設定が必要になったり、設定可能なパラーメーターや出力数に制限があったりする場合があります。
ウィンドウについて
HALion Sonic ウィンドウはいくつかの主要なセクションに分かれています。
ダイアルとスライダー
ダイアルおよびスライダーには、単方向性のものと双方向性のものがあります。レベル値など単方向性の値は、最小値から始まり、最大値まで上げることができます。双方向性のコントロールは中央位置から始まり、左に動かすと負の値、右に動かすと正の値になります。
ボタン
HALion Sonic には、「On/Off」ボタンとプッシュボタンの 2 種類のボタンが備わっています。
値フィールド
キーボードやマウスを使用して、値フィールドに値を入力したり値を編集したりできます。キー範囲やルートキーを入力する場合は、外部 MIDI キーボードを使用します。
キーボードショートカットの使用
プリセット
HALion Sonic には 2 種類のプリセット (セクション/モジュールプリセットと VST プリセット) が用意されています。セクションおよびモジュールのプリセットは、HALion Sonic パネルにある特定のコンポーネントの設定を保存したりロードしたりできます。VST プリセットには、プラグインの完全な状態を復元するために必要なすべての情報が含まれています。
プラグイン機能セクション
ウィンドウの上部にあるプラグイン機能セクションでは、現在ロードされているプログラムと、プラグイン全般の両方に影響を及ぼす機能にアクセスできます。
プラグイン名と Steinberg ロゴ
ツールバー
パフォーマンスコントロール
パフォーマンスセクションは、ウィンドウの下部に表示されます。
クイックコントロール
クイックコントロールを使用すると、プログラム内のどのパラメーターでもリモートコントロールできます。
Trigger Pads
トリガーパッドを使用して、1 つのノートまたはコード全体をトリガーしたり、FlexPhraser またはアルペジエーターのバリエーションを切り替えたりできます。
「Options」ページ
プログラムの編集
「Edit」ページでは、プログラムの編集、プログラムのさまざまなレイヤーのロード、およびレイヤーの編集を行ないます。
「Program」ページのパラメーター
「Program」ページは 2 つの部分に分かれています。上部セクションでは、レイヤーをロードまたは保存したり、レベル、パン、FX Send などの「mix」パラメーターを設定したりします。下部セクションには、レイヤー範囲、プログラム FlexPhraser エディター、クイックコントロールの割り当て、またはノートエクスプレッションパラメーターを表示します。
「Voice」タブ
「Pitch」タブ
「Oscillator」タブ
「Filter」タブ
「Amplifier」タブ
エンベロープ
LFO
「Key Map」の使用
「AUX」タブ
インストゥルメントレイヤーのエクスプレッションコントロール
Insert エフェクト
ステップモジュレーター
シンセレイヤーとサンプルレイヤーには、リズミカルなコントロールシーケンスを作成するためのポリフォニックステップモジュレーターが用意されています。
モジュレーションマトリクス
あるパラメーターを別のパラメーターでコントロールする概念をモジュレーションといいます。HALion Sonic は、振幅やフィルターエンベロープ、あるいはピッチキーフォローなど、固定されて割り当てられた多くのモジュレーションを提供します。モジュレーションマトリクスでは、追加のモジュレーションを割り当てることができます。
FlexPhraser
FlexPhraser はアルペジオとフレーズのプレーヤーです。
フレーズのロード
フレーズは、インストゥルメントタイプごとにサブフォルダーにソートされます。それぞれのインストゥルメントサブフォルダーにはさまざまな音楽スタイルのフレーズがあります。
FlexPhraser のパラメーター
FlexPhraser の MIDI 出力の録音
FlexPhraser で再生されるフレーズは、発音されるノートによって変わるため、直接エクスポートはできません。ただし、FlexPhraser の MIDI 出力を録音して、エクスポート可能なフレーズを生成できます。
フレーズの再生タイプ
バリエーション
それぞれの FlexPhraser に対して、8 種類のフレーズのバリエーションを設定できます。右上のバリエーションボタンで、それらを切り替えることができます。
ユーザーフレーズ
FlexPhraser のユーザーパターンには最大 32 のステップを含めることができます。各ステップは、調節可能なベロシティー、ゲートタイム、およびトランスポーズ値を持ちます。ステップを設定したり、ステップの長さを調節したり、一時停止を残したりして、ユーザーパターンのリズムを定義できます。
サウンドの管理
ここでは、HALion Sonic でさまざまな種類のサウンドファイルをロード、保存、および管理する方法について説明します。
プログラム、レイヤー、マルチ、「Macro」ページ、およびプリセット
プログラムのロード
ロードダイアログ
スロットラック
スロットラックには 16 個のスロットがあり、各スロットにプログラムを割り当てることができます。つまり、16 個のプログラムを同時に編集できます。
ファイルのロードと管理
MediaBay を使用して、さまざまなファイルタイプの管理、選択、ロードを行なえます。
「Automation」ページ
割り当て済みのすべてのオートメーションパラメーターが「Automation」ページに表示されます。
オートメーションの設定
「MIDI」ページ
「MIDI」ページでは、HALion Sonic の MIDI スロットパラメーターを設定できます。
MIDI コントローラー
各スロットのボリューム、パン、ミュート、ソロ、FX 1–4 Send とクイックコントロールのパラメーターを MIDI コントローラーに割り当てることができます。スロットパラメーターに加えて、AUX FX のパラメーターおよびほとんどの編集パラメーターも割り当てることができます。
「Mix」ページ
「Mix」ページでは、HALion Sonic のオーディオパラメーターを設定できます。このページには、AUX エフェクト Send や出力セレクターに加えて、レベルとパンの設定があります。出力レベルをモニタリングするために、それぞれのスロットはレベルメーターも備えています。
エフェクトの使用
Auron
Auron シンセは、最大 8 つのグレインストリームを備えたグラニュラーシンセシスを使用して、オシレーター波形を生成します。統合されたアルペジエーターおよびステップシーケンサーを使用して、シーケンサーラインからステップコードまであらゆるサウンドを作り出せます。
Trium
Trium は、近代的で豊かなサウンドを作り出すように設計されています。3 つのオシレーター、サブオシレーター、リングモジュレーター、およびノイズジェネレーターを搭載しています。統合されたアルペジエーターおよびステップシーケンサーを使用して、シーケンサーラインからステップコードまであらゆるサウンドを作り出せます。
Voltage
Voltage は、2 つのオシレーターを搭載したノイズシンセサイザーで、シンセベースに使用できるほか、あらゆる種類のクラシックなモノフォニックおよびポリフォニックシンセサウンドを作り出せます。統合されたアルペジエーターおよびステップシーケンサーを使用して、シーケンサーラインからステップコードまであらゆるサウンドを作り出せます。
Model C
Model C は、9 本のドローバーと、パーカッション用に 3 本の追加ドローバーを備え、クラシックなトーンホイールオルガンをエミュレートします。
HALiotron
HALiotron は、デジタルサンプラーが登場する前の時代のサウンドジェネレーターをエミュレートします。
B-Box
B-Box は、HALion Sonic で使用できる本格的なドラムコンピューターです。13 のインストゥルメントレーンを備え、最大で 128 種類のサウンドを使用できます。ドラムパターンを設定したり、バリエーションを作成したり、ローパスフィルターや複数のディストーションモードを使用して各ドラムサウンドを変更したりできます。
World Instruments
World Instruments は、さまざまな民族楽器をエミュレートします。これらのインストゥルメントは手動で演奏したり、統合アルペジエーターを使用して演奏したりできます。
World Percussion
World Percussion は、さまざまな民族音楽のパーカッションインストゥルメントをエミュレートし、それに関する MIDI フレーズを提供します。
Anima
Anima シンセは、ウェーブテーブルのインストゥルメントです。統合されたウェーブテーブルエンベロープに基づいて、リアルタイムで波形をスムーズにクロスフェードする HALion のウェーブテーブルシンセシスを使用しています。このエンベロープにより、その他のモジュレーション設定が不要となるため、ウェーブテーブルの再生のコントロールが非常に簡単になります。必要なのは、「Speed」パラメーターの設定のみです。モジュレーションマトリクスにより、統合された LFO の 1 つ、ベロシティー、またはモジュレーションホイールなどを使用して、オシレーターの再生位置をコントロールできます。
Skylab
Skylab シンセは、シネマティックやアンビエントサウンドトラックの作成に最適な、幅広いサウンドを生成するインストゥルメントです。さまざまな展開パッド、サウンドスケープや、ストリングス、バス、合唱などの一般的なオーケストラサウンドを提供する大量のマルチサンプルが含まれており、非常に多くの壮大なサウンドを生成できます。さらに、オーケストラパーカッションと太鼓のパーカッシブサンプルのセットが用意されており、統合されたアルペジエーターと併せて使用してリズミカルなパターンを作るといったことができます。
Raven
Raven は、6 つのベロシティーレイヤーと調節可能なサステインレゾナンスを備えており、クラシックなイタリアのコンサート用グランドピアノのサウンドを生成します。「Tone」コントロールで、非常にソフトでロマンティックな音色から力強い音色まで、幅広い調節を行なえます。さらに、専用のノートオフレイヤーを追加して、ノートオフ動作の特性を変更できます。
Eagle
Eagle は、12 のベロシティーレイヤーと調節可能なサステインレゾナンスを備えており、クラシックなドイツのコンサート用グランドピアノのサウンドを生成します。「Tone」コントロールで、非常にソフトでロマンティックな音色から力強い音色まで、幅広い調節を行なえます。さらに、専用のノートオフレイヤーを追加して、ノートオフ動作の特性を変更できます。
Hot Brass
Hot Brass は、ロック、ソウル、ファンクなど、シャープでアクセントが効いたブラス音色を必要とするさまざまな音楽スタイルに適した、幅広いブラスサウンドとアーティキュレーションを提供します。Hot Brass は、特に簡潔なリックやリフの演奏に適しています。
Studio Strings
Studio Strings は、ソロストリング、スモールチェンバー、フルオーケストラセクションなど、幅広いストリングスサウンドやアーティキュレーションを生成します。
ノートエクスプレッション
Steinberg のノートエクスプレッションテクノロジーは、インストゥルメントのリアルな演奏を実現するために開発されました。ノートエクスプレッションにより、各ノートに自動的なモジュレーションを作成できます。通常、HALion Sonic は、ボリューム、パン、チューニングでノートエクスプレッションをサポートします。
「Note Expression」エディター
「Note Expression」エディターには、左側にノートエクスプレッションコントローラー、右側に割り当てられたデスティネーションが表示されます。これにより、ノートエクスプレッションコントローラーがモジュレーションマトリクスでどのように割り当てられており、サウンドにどのように影響するかをすばやく確認できます。
スタンドアローンバージョンプラグインの使用
HALion Sonic はホストアプリケーションから独立して使用できます。
環境設定
スタンドアローンバージョンの HALion Sonic は、「Plug-In Preferences」ダイアログでさまざまな設定を行なえます。
「Plug-In Preferences」ダイアログ
「Plug-In Preferences」ダイアログには複数のページがあり、以下の設定を行なえます。
MIDI 入力とオーディオ出力の選択
スクラッチパッド
スクラッチパッドを使うと、スタンダード MIDI ファイル形式の MIDI ファイルを録音/再生できます。既存の MIDI ファイルをロードしたり、独自のファイルを録音して保存したりできます。
MIDI ファイルのロード
スタンダード MIDI ファイル形式 (ファイル拡張子 .mid) の MIDI をロードできます。
MIDI ファイルの保存
マスターボリューム