LoopMash の仕組みは?

LoopMash は、ループを読み込むと同時にオーディオ素材を分析します。知覚的記述子 (テンポ、リズム、スペクトル、音質などに関する情報) を作成した上で、ループを 8 分音符のセグメントにスライスします。

これはつまり、いくつかのループの読み込み後、LoopMash は各ループのリズムパターンと、各ループ内でパターンを構成するさまざまなサウンドの位置を把握しているということです。再生の間、LoopMash は知覚的記述子を使用して、各スライスがマスタートラックの現在のスライスとどれほど類似性があるかを決定します。

補足

LoopMash はサウンドをカテゴライズするのではなく、サウンドの中の全体的な類似性を探します。たとえば、LoopMash は、ピッチの低いスネアドラムのサウンドをキックドラムに差し替える場合があると同時に、ピッチの高いスネアドラムのサウンドに差し替える可能性もあります。LoopMash は常に、他のサウンドを使用しつつ、マスターループと音響的に類似したループを作成しようとします。

類似性は各トラック上の各スライスのブライトネス (明度) によって、また、各トラック左側の「similarity gain」スライダー上の各スライスの位置によって示されます (スライスをクリックすると、「similarity gain」スライダー上でその位置が強調表示されます)。スライスが明るいほど、現在のマスタートラックのスライスとの類似性が高く、「similarity gain」スライダー上では右の方に位置することになります。暗いスライスは類似性が低く、スライダーの左の方に配置されます。

さまざまなトラックで「similarity gain」を設定することにより、どのスライスが再生の優先権を得るかが決定されます。これにより、新たなループを何度も繰り返し作成できますが、オリジナルのマスターループのリズムパターンが崩れることはありません。

下の図には 4 つのトラックが例示されています。一番上のトラックがマスタートラックです。再生の最中、LoopMash はマスターループ内をステップごとに移動し (現在のスライスはトラックと同じ色の長方形で示されます)、これらのトラックから 4 つのスライスを自動的に選択して、マスタートラックのスライスと差し替えています。現在再生中のスライスは、スライスを囲む白い長方形によって表わされます。



下図は、それぞれの再生ステップでの選択過程の結果を表わしています。



  1. マスタートラックのスライス、再生ステップ 1 から 4

  2. 再生に選択されたスライス、再生ステップ 1 から 4

動作を最適化するために、サンプリングレートがプロジェクトと同じオーディオファイルを使用するようにしてください (プリセットの読み込み時またはシーンの保存時にサンプリングレートの変換を防ぐためです)。

付属の LoopMash プリセットや、お手持ちの多種多様なサウンドで長さの異なる色々なリズムで実験をしてみてください。LoopMash は楽器のようなものであり、私達は LoopMash を楽器として演奏していただけることを望んでいます。