OS 共通のマニュアル
このマニュアルには、Windows と macOS の両方のオペレーティングシステム用の内容が記載されています。
ヘルプシステム
ヘルプシステムにアクセスするには、いくつかの方法があります。マニュアルはインターネット上で公開されており、そのほとんどは steinberg.help から PDF 形式でダウンロードできます。
表記規則
本書では、表記上およびマークアップの要素を使用して説明しています。
キーボードショートカット
初期設定のキーボードショートカットの多くは修飾キーを使用しますが、修飾キーの一部はオペレーティングシステムによって異なります。
Steinberg 社の Web サイトへのアクセス方法
WaveLab Elements の「ヘルプ (Help)」メニューから追加情報にアクセスできます。
システムの設定
作業を始める前に、設定を行なう必要があります。
機器の接続
システム設定は、作成するプロジェクトの種類、使用する外部機器、使用しているコンピューターハードウェアなど、さまざまな要因によって変わってきます。
サウンドカードとバックグラウンド再生
WaveLab Elements で再生や録音をアクティブにしていると、他のアプリケーションはサウンドカードを使用できません。同様に、別のアプリケーションがサウンドカードを使用している場合、WaveLab Elements は再生を行なえません。ただし、Windows MME ドライバーは例外です。
レイテンシー
レイテンシーとは、プログラムからオーディオが出力されてから実際に聴こえるまでの時間の遅れを表わします。Steinberg Nuendo または Cubase などのリアルタイム DAW アプリケーションではレイテンシーが非常に低いことが必須ですが、WaveLab Elements ではそこまで低いレイテンシーは必要ではありません。
オーディオ接続の定義
WaveLab Elements でオーディオを再生および録音できるようにするには、WaveLab Elements 内部の入力チャンネルと出力チャンネルのサウンドカードへの接続方法と、オーディオの再生と録音に使用するデバイスを指定する必要があります。
CD/DVD/Blu-ray 等のディスクドライブ
内蔵ディスクドライブの取り付け、または外付けディスクドライブの USB/Firewire 経由の接続の一般的な手順については、コンピューターまたは各ドライブのマニュアルをご参照ください。
リモートデバイス
リモートデバイスを使用して、WaveLab Elements をリモートコントロールできます。
WaveLab Elements の概念
この章では、WaveLab Elements で作業を行なうときの一般的な概念について説明します。これらの手順に慣れることで、プログラムでの作業がより効率的になります。
全般的な編集ルール
Steinberg 社のすべての製品で、共通の編集操作を使用できます。
「起動 (Startup)」ダイアログ
WaveLab Elements を起動すると、どのファイルまたはテンプレートを開くかを選択できる「起動 (Startup)」ダイアログが表示されます。
基本的なウィンドウの動作
WaveLab Elements は、Windows/macOS インターフェースの基本ガイドラインに従っているため、Windows/macOS の標準的な手順を利用できます。
オーディオデータの選択
WaveLab Elements で実行するほぼすべての編集および処理は、選択したオーディオに対して行ないます。オーディオはさまざまな方法で選択できます。
スライダー
WaveLab Elements のさまざまな場所で、スライダーコントロールを使用してパラメーターを変更できます。スライダーの値はさまざまな方法で変更できます。
表の項目名の変更
「マーカー (Markers)」ウィンドウおよび「CD」ウィンドウでは、表の項目名を変更できます。
ファイルブラウザー
「ファイルブラウザー (File Browser)」ウィンドウでは、WaveLab Elements 内からファイルを参照できます。「Auto-Play Mode (自動再生モード)」は、サウンドファイルを再生するプロセスを短縮化するのに役に立ちます。
タブグループ
タブグループを使用すると、複数のウィンドウ間を移動せずに、さまざまなファイル、ツールウィンドウ、またはメーターの内容を同時に表示できます。それぞれのタブグループには、独自の内容とタブバーがあります。
ピークファイル
ピークファイル (拡張子「.gpk」) は、WaveLab Elements で初めてオーディオファイルを開いたり、オーディオファイルの変更を行なうたびに、WaveLab Elements によって自動的に作成されます。ピークファイルには波形に関する情報が含まれており、これによって波形ウィンドウまたはモンタージュウィンドウ内で波形がどのように描かれるかが決まります。
付属ファイル
付属ファイル (拡張子 .vs ) には、オーディオファイルのマスターセクションプリセットと表示設定が含まれます。ファイルの保存時にこの機能がオンになっている場合、設定は次にファイルを読み込むときに再作成されます。
処理精度
WaveLab Elements ではさまざまな形式のオーディオサンプルを読み込むことができますが、オーディオサンプルは 64-bit float のサンプルとして内部処理されます。
ワークスペースウィンドウ
ワークスペースウィンドウは、特定のファイルタイプの編集および再生環境を提供します。各環境では、各ファイルタイプの特定の目的に応じた機能を使用できます。
オーディオエディター
オーディオエディターには、サンプル精度のオーディオ編集、高品質の解析、および処理を行なうためのツールと機能が用意されています。
オーディオモンタージュ
オーディオモンタージュでは、複数のオーディオクリップを 1 つのモンタージュに合成します。ステレオトラックまたはモノラルトラック上で、クリップのアレンジ、編集、再生を行なうことができます。
Podcast エディター
Podcast エディターでは、Podcast を構成したり、定義したり、インターネットに公開したりできます。
「ファイル (File)」タブ
「ファイル (File)」タブは WaveLab Elements のコントロールセンターです。ここでは、ファイルを保存する、開く、レンダリングする、読み込む、書き出すなどの操作を行なえます。また、ファイルに関する詳細な情報が表示され、WaveLab Elements の環境設定を行なえます。
「情報 (Info)」タブ
「情報 (Info)」タブにはアクティブなファイルに関する情報が表示され、オーディオファイルおよびオーディオモンタージュのオーディオ属性を編集できます。
ツールウィンドウ
WaveLab Elements 全体を通じて、さまざまなツールウィンドウを使用して、アクティブなファイルを表示、解析、および編集できます。
メーターウィンドウ
WaveLab Elements には、オーディオのモニタリングと解析に利用できるさまざまなオーディオメーターが用意されています。メーターは、オーディオの再生、レンダリング、録音中にオーディオをモニタリングするために使用できます。また、再生停止時にはオーディオの選択範囲を解析するために使用できます。
スライドアウトウィンドウ
スライドアウトウィンドウは、ワークスペースウィンドウのフレームに隠れています。ウィンドウ名にマウスポインターを合わせると、ウィンドウがスライドアウトします。どこか別の場所をクリックすると、ウィンドウはまた非表示になります。
ツールウィンドウとメーターウィンドウのドッキング/切り離し
ツールウィンドウとメーターウィンドウは、ドッキングウィンドウ、フローティングウィンドウ、またはスライドアウトウィンドウとして使用できます。これらのウィンドウは、ドラッグで自由に移動してさまざまな場所にドッキングできます。
コマンドバー
ファイルウィンドウのコマンドバーでは、ファイルを作成する、開く、保存する、および変更を元に戻す/やり直すなどの操作を行なえます。また、テキストフィールドを使用して、開いているファイルをすばやく見つけてアクセスしたり、キーワードを適用したりできます。
ステータスバー
オーディオエディターおよびオーディオモンタージュウィンドウの一番下に表示されるステータスバーには、ルーラーで指定した単位で、アクティブなウィンドウに関する情報が表示されます。
コンテキストメニュー
WaveLab Elements 全体で、さまざまなコンテキストメニューを使用できます。コンテキストメニューでは、アクティブなウィンドウに固有のコマンドやオプションがグループ化されています。
タイムルーラーとレベルルーラー
オーディオエディターの波形ウィンドウでは、タイムルーラーとレベルルーラーを表示できます。オーディオモンタージュウィンドウのモンタージュウィンドウでは、タイムルーラーを表示できます。
タブの管理
タブは、WaveLab Elements におけるファイルのコンテナです。複数のタブを開けますが、一度にアクティブにできるのは 1 つだけです。「タブ」コンテキストメニューでは、タブ関連のオプションが用意されています。
フルスクリーンモードの有効化
デフォルトのワークスペースのレイアウトにリセット
ファイルを開く
値の編集
プログラムのさまざまな場所で、テキストフィールドとノブの組み合わせを使用して、数値を編集できます。
ドラッグ操作
WaveLab Elements では、さまざまな操作の実行に、ドラッグアンドドロップを使用できます。一部の操作はこの方法でしか実行できません。このヘルプでは、ドラッグアンドドロップをドラッグ操作といいます。
操作の取り消し/再実行
操作を必要なだけ取り消し/再実行できます。取り消し/再実行ができる操作の数は、ハードディスクの空き容量に依存します。
ズーム
プリセット
一般的に使用する設定を保存するプリセットを作成できます。WaveLab Elements で表示されるほとんどのダイアログには、使用できるファクトリープリセットがいくつか用意されています。
最近使用したファイル
WaveLab Elements で最近使用したすべてのファイルは、リストに保存されています。このリストを使用すると、最近のプロジェクトをすばやく利用できます。「ファイル (File)」メニューから、最近使用したファイルを開けます。
「保存 (Save)」/「名前を付けて保存 (Save As)」
テンプレート
頻繁に使用するファイル設定をテンプレートとして保存できます。テンプレートは、新しいオーディオファイル、オーディオモンタージュ、または Podcast を作成するときに役立ちます。
ファイル名の変更
ファイル名を変更し、すべての参照情報を自動的に更新できます。たとえば、「India」というオーディオファイルの名前を「Sitar」に変更する場合、ファイル「India」を参照している、開いているすべてのファイルが、ファイル「Sitar」を参照するように更新されます。
ファイルの削除
WaveLab Elements 内から、アクティブなファイルを削除できます。
一時ファイル
WaveLab Elements はオーディオファイル処理の中間結果を保存する目的で一時ファイルを作成します。このファイルは元に戻す/やり直すコマンドを利用する際にも使用されます。WaveLab Elements では⼀時ファイルを保存する場所とその処理精度を指定することができます。
作業フォルダーとドキュメントフォルダー
WaveLab Elements では、作業フォルダーとドキュメントフォルダーは区別されます。
SoundCloud に書き出し
SoundCloud は、オーディオファイルをアップロードおよび共有できるオンラインのプラットフォームです。オーディオファイルを WaveLab Elements から SoundCloud アカウントに書き出すことができます。
クリップボードへのオーディオ情報のコピー
選択したオーディオファイルの名前と位置に関する情報 (選択範囲とカーソル位置に関する情報を含む) をコピーできます。この情報は、外部のテキストエディターに貼り付けできます。
現在のファイルへのフォーカス設定
フローティングウィンドウまたはツールウィンドウでの編集中に波形/モンタージュウィンドウにフォーカスを切り替えたい場合は、「現在のファイルにフォーカスを合わせる (Set Focus on Current File)」オプションを使用します。
再生
この章では、再生機能とトランスポート機能をコントロールする方法について説明します。
トランスポートバー
このコマンドバーでは、オーディオファイルまたはオーディオモンタージュの再生をコントロールしたり、オーディオファイル内またはオーディオモンタージュ内のさまざまな位置をナビゲートしたり、「録音 (Recording)」ダイアログを開いたりできます。
ルーラーからの再生の開始
ルーラーを使用すると、特定の位置へジャンプして、そこから再生を開始できます。
「再生 (Play)」ツールの使用
このツールを使用すると、いずれかのチャンネルまたは両方のチャンネルを、任意の位置から再生できます。
ジョグ/シャトル再生
ジョグ/シャトル再生は、再生を繰り返してオーディオファイルの特定の位置を見つけるのに便利です。ジョグ/シャトル再生を行なうには、再生中にタイムルーラーをクリックしてドラッグするか、「再生 (Play)」ツールを使用します。
再生中の自動スクロール
再生モードにおけるビューのスクロール方法を決定できます。
オーディオモンタージュウィンドウでの再生
オーディオモンタージュウィンドウでの再生操作は、オーディオエディターと同様です。ただし、いくつかの注意点があります。
オーディオファイルの編集
オーディオファイルの編集とは、オーディオファイルを開き、編集して保存することです。
波形ウィンドウ
波形ウィンドウには、オーディオファイルがグラフィック表示されます。ここでは、個々のオーディオファイルを表示、再生、および編集します。
オーディオエディターのタブ
オーディオエディターの各タブでは、オーディオファイルの編集に必要なツールやオプションにアクセスできます。
オーディオエディターでのファイルの取扱い
オーディオ属性の変更
オーディオファイルのサンプリングレートとビット解像度を変更できます。
メタデータ
メタデータは、オーディオコンテンツについて記述した属性で構成され、トラックのタイトル、作成者、録音日などが含まれています。選択したオーディオファイルのファイル形式に応じて、データの内容は変わります。
「無音部分の作成/挿入 (Silence Generator)」ダイアログ
このダイアログでは、オーディオファイルに無音部分やバックグラウンドノイズを挿入できます。
自主規制音
「自主規制音 (Bleep Censor)」を使用すると、オーディオファイルの一部を、不適切な用語などを隠す自主規制音に置き換えることができます。
鉛筆ツールによる波形の修正
鉛筆ツールを使用すると、波形ウィンドウ内で波形を描けます。波形のエラーをすばやく修正する場合に使用できます。鉛筆ツールは、ズーム解像度が 1:8 (スクリーンの 1 ピクセルが 8 サンプルに相当) 以上の場合に使用できます。
オーディオの解析
WaveLab Elements には、オーディオを解析してエラーを検出するためのさまざまなツールが備わっています。
全般情報の検出
WaveLab Elements では、オーディオに高度な解析を実行し、指定した属性を含む範囲を特定できます。この機能は、グリッチやクリッピングを含むサンプルなど、問題のある範囲を検出する場合に役立ちます。また、音のピッチなどの一般的な情報を確認することもできます。
3D 周波数解析
3D 周波数解析を使用すると、周波数軸でオーディオファイルを参照できます。
オフライン処理
オフライン処理は、さまざまな編集操作やエフェクト適用に役立ちます。たとえば、リアルタイム処理を行なうとコンピューターの動作速度が遅くなりすぎる場合や、複数のパスが必要な編集を行なう場合に便利です。
「処理 (Process)」タブ
処理の適用
処理は、選択範囲またはファイル全体に適用できます。一部の操作では、ファイル全体を処理する必要があります。
「ゲイン (Gain)」ダイアログ
このダイアログでは、ゲインを適用してオーディオファイルのレベルを変更できます。
「レベルノーマライザー (Level Normalizer)」ダイアログ
このダイアログでは、オーディオファイルのピークレベルを変更できます。
「エンベロープ (Envelope)」ダイアログ
このダイアログでは、選択範囲またはオーディオファイル全体に対してレベルエンベロープを作成し、適用できます。これは、音の大きい部分と小さい部分を均等にする場合や高度なフェードイン/フェードアウトを作成する場合などに役立ちます。
オーディオファイルのフェード
フェードインとはレベルが徐々に増していくこと、フェードアウトとはレベルが徐々に減っていくことです。
クロスフェード
クロスフェードとは、2 つのサウンドが、一方は徐々にフェードイン、もう一方は徐々にフェードアウトしていくことです。オーディオ範囲を別のオーディオ範囲に貼り付けると、クロスフェードを自動的に作成できます。
位相の反転
位相を反転すると、信号の上下が逆転します。この機能の最も一般的な使用目的は、2 つのチャンネルの位相が一致しないまま録音された場合にステレオ録音を修正することです。
オーディオの前後反転
オーディオファイルやオーディオファイルの一部を、テープを逆回転させているように前後を反転できます。
DC オフセット
DC オフセットとは、信号の DC (直流) 成分が大きすぎる部分のことです。この現象が発生する最も一般的な原因は、さまざまな録音装置間のずれです。
タイムストレッチ
タイムストレッチとは、ピッチを変更せずに録音の長さを変えられる操作です。
ピッチシフト
ピッチシフトにより、サウンドの長さを変更したり保持したりしながら、ピッチの検出と変更を行なえます。この機能は、ライブ録音したボーカルのピッチの外れた部分を修正したり、キックドラムのサンプルのピッチを特定の曲に合わせてチューニングしたりする場合に役立ちます。
リサンプリング
録音データのサンプリングレートを変更できます。この機能は、オーディオシステムで使用したいファイルがそのシステムでサポートされていないサンプリングレートで録音されている場合に役立ちます。
オーディオモンタージュ
オーディオモンタージュは、マルチトラックに対応するノンディストラクティブ (非破壊) 編集環境です。オーディオクリップをアレンジ、編集、再生、および録音できます。
モンタージュウィンドウ
モンタージュウィンドウは、オーディオモンタージュを合成する場所です。このウィンドウでオーディオモンタージュを表示、再生、および編集します。
オーディオモンタージュの各タブ
オーディオモンタージュウィンドウの各タブでは、オーディオモンタージュの編集に必要なツールやオプションにアクセスできます。たとえば、クリップ内のエンベロープカーブやフェードを編集したり、ズーム設定を行なったり、オーディオを分析したり、オーディオモンタージュをレンダリングしたりできます。
オーディオモンタージュでの信号の流れ
オーディオ信号は、特定の決まりに従って WaveLab Elements のさまざまなセクションを通過します。
新しいオーディオモンタージュの作成
オーディオモンタージュの複製
オーディオモンタージュは複製することができます。
オーディオファイルからのオーディオモンタージュの作成
オーディオファイルは、オーディファイルに設定したすべてのマーカーを含めてオーディオモンタージュに書き出せます。
オーディオモンタージュの読み込みオプション
オーディオモンタージュには、オーディオファイルやオーディオ CD トラックを読み込みできます。
「所在不明ファイル (Missing Files)」ダイアログ
オーディオモンタージュを開いたときに、オーディオモンタージュが参照するファイルが所在不明の場合、このダイアログが表示されます。このダイアログで、それらのファイルを検索するか、代替ファイルを選択できます。
オーディオモンタージュの合成
トラックとクリップを追加して、オーディオモンタージュを合成します。
クリップの並べ替え
モンタージュウィンドウでは、クリップを自由に並べ替えできます。
クリップの編集
すべてのクリップが「CD」ウィンドウに表示されます。このウィンドウでは、クリップの編集と再配置、およびオーディオモンタージュへのドラッグができます。
トラック動作インジケーター
トラック動作インジケーターはオーディオトラックのボリュームレベルを示します。オーディオモンタージュウィンドウのトラックコントロール領域の右側に配置されています。
クリップエンベロープ
オーディオモンタージュのクリップには、レベルとフェード、およびパンニングのエンベロープを作成できます。
オーディオモンタージュでのフェードおよびクロスフェード
フェードインとはレベルが徐々に増していくこと、フェードアウトとはレベルが徐々に減っていくことです。クロスフェードとは、2 つのサウンドが、一方は徐々にフェードイン、もう一方は徐々にフェードアウトしていくことです。
トラック、クリップ、およびモンタージュ出力へのエフェクトの適用
オーディオモンタージュの個別のクリップ、トラック、または出力に VST エフェクトプラグインを追加できます。クリップエフェクトは個別のクリップのみ、トラックエフェクトはトラック上のすべてのクリップ、モンタージュ出力はオーディオモンタージュ全体に影響します。
「CD」ウィンドウ
「CD」ウィンドウにはアクティブなオーディオモンタージュのクリップが表示され、ユーザーはオーディオモンタージュを CD に書き込みできます。
ミックスダウン - レンダリング機能
レンダリング機能を使用すると、オーディオモンタージュ全体またはオーディオモンタージュの選択範囲を 1 つのオーディオファイルにミックスダウンできます。
ラウドネスメタノーマライザー
ラウドネスメタノーマライザーはマスタリングに重要なツールです。すべての曲のラウドネスレベルを統一でき、またクリッピングを防止できます。このツールを使用すると、オーディオモンタージュの各クリップのラウドネスを調節して、同じ値に統一できます。マスターセクション出力のラウドネスだけでなく、オーディオモンタージュのミックスダウンのラウドネスも調節できます。
「メモ (Notes)」ウィンドウ
このウィンドウでは、現在のオーディオモンタージュセッションに関するメモを入力できます。
録音
オーディオエディターとオーディオモンタージュウィンドウでオーディオを録音できます。
「録音 (Recording)」ダイアログの設定
録音を始める前に、「録音 (Recording)」ダイアログを設定します。
録音中のマーカーの作成
録音中にマーカーボタンをクリックすると、録音されたファイルにマーカーを追加できます。
「録音 (Recording)」ダイアログ
このダイアログでは、録音の設定を行なって、オーディオファイルの録音を開始できます。
マスターセクション
マスターセクションは、WaveLab のリアルタイムサウンド処理の心臓部で、オーディオ信号が WaveLab から出力される前に通る最終部分です。ここでは、マスターレベルの調節、エフェクトの追加、リサンプリング、ディザリングの適用を行ないます。
マスターセクションのバイパス
初期設定では、マスターセクションはオンになっています。ファイルごとに、またはグローバルにマスターセクションをバイパスできます。マスターセクションをバイパスした場合、再生中はマスターセクションの「プレイバック処理 (Playback Processing)」ペインのみアクティブになります。
マスターセクションウィンドウ
このウィンドウでは、エフェクトプラグインの適用、マスターレベルの調節、ディザリングの適用、およびオーディオファイルやオーディオモンタージュのレンダリングを行なえます。
レンダリング
マスターセクションで「実行 (Render)」をクリックしてエフェクトをレンダリングすると、エフェクトはファイルに永続的に書き込まれます。再生時にリアルタイムですべての処理を実行する場合と異なり、オーディオ出力をディスク上のファイルに保存できます。
マスターセクションプリセットの保存
マスターセクションで行なったすべての設定をプリセットとして保存できます。保存される設定には、使用するプラグインの種類、各プラグインの設定、ディザリングオプションなどが含まれます。
バックグラウンドタスクのモニタリング
レンダリング中に処理をモニタリングして、タスクを休止したりキャンセルしたりできます。
音飛び
音飛びが最もよく発生するのは、コンピューターの処理パワーが足りず、使用されているエフェクトプラグインをすべて処理できないときです。
マーカー
マーカーを使用すると、ファイルの特定の位置を保存して名前を付けられます。マーカーは編集操作や再生時に便利です。
マーカーの種類
「マーカー (Markers)」ウィンドウ
このウィンドウでは、オーディオファイルやオーディオモンタージュの操作中に、マーカーを作成、編集、および使用できます。
マーカーの作成について
マーカーは、再生中または停止モードで作成できます。どのようなマーカーが必要か決まっている場合には、その特定のマーカーを作成できます。また、標準マーカーを作成することもできます。
マーカーの削除
波形/モンタージュウィンドウ、および「マーカー (Markers)」ウィンドウで、マーカーを削除できます。
マーカーの移動
波形ウィンドウおよびモンタージュウィンドウで、マーカーの位置を調節できます。
マーカー間の移動
対応するマーカーボタンを使用して、前/次のマーカーにジャンプできます。
特定の種類のマーカーを非表示にする
画面を見やすくするために、特定の種類のマーカーを非表示にできます。
マーカーの種類の変換
マーカーの種類を変換できます。
マーカー名の変更
マーカー名を変更できます。
マーカーの選択
さまざまな方法で、マーカーを選択できます。
マーカー間のオーディオの選択
2 つの隣り合ったマーカーや任意の 2 つのマーカー間のオーディオを選択できます。これにより、マーク済みのセクションを選択できます。
オーディオモンタージュ内のクリップへのマーカーのロック
オーディオモンタージュウィンドウで、マーカーをクリップにロックできます。これにより、オーディオモンタージュ内でクリップを移動したり、クリップのサイズを変更したりしても、クリップの開始位置/終了位置に対するマーカーの相対位置はそのまま保持されます。
マーカー情報の保存方法
WaveLab Elements では、ファイル形式とは関係のない情報を保存する方法として MRK ファイルを使用します。ただし、アプリケーション間でマーカー情報をやり取りできるようにするために、WaveLab Elements で Wave ファイルのヘッダーに一部の情報を保存することもできます。
メータリング
WaveLab Elements には、オーディオのモニタリングと解析に利用できるさまざまなオーディオメーターが用意されています。メーターは、オーディオの再生、レンダリング、録音中にオーディオをモニタリングするために使用できます。また、再生停止時にはオーディオの選択範囲を解析するために使用できます。
メーターウィンドウ
メーターの設定
ほとんどのメーターは、それぞれの設定ダイアログで設定できます。たとえば、メーターの動作、スケール、表示色を調節できます。
メーターのリセット
レベルメーターなど、一部のメーターの表示をリセットできます。
レベルメーター
レベルメーターには、オーディオファイルのピークと平均のラウドネス/デシベルレベルが表示されます。
スペクトロスコープ
スペクトロスコープには、周波数スペクトラムが図として表示されます。これらは 60 の個別の周波数帯域へと解析され、縦線として表示されます。
オシロスコープ
オシロスコープを使用すると、再生カーソル位置の周辺の波形を拡大して表示できます。
書き込み操作
CD/DVD の書き込み処理を開始するには、CD/DVD の書き込み準備をすべて完了させておく必要があります。
「オーディオ CD の書き込み (Write Audio CD)」ダイアログ
このダイアログでは、オーディオモンタージュをオーディオ CD に書き込めます。
「光ディスクを消去 (Erase Optical Media)」ダイアログ
このダイアログでは、書き込み前に光ディスクの内容をすばやくまたは完全に消去できます。
オーディオモンタージュの書き込みについて
オーディオモンタージュを、オーディオ CD に書き込めます。
データ CD/DVD プロジェクト
データ CD/DVD プロジェクトは、データのみの CD、DVD、Blu-rayをコンパイルして書き込むため、または ISO イメージに書き込むために使用できます。CD、DVD、Blu-ray、または ISO イメージにデータを書き込む前に、ディスクの名前を入力したり、ディスクのファイル構造を変更したりできます。
オーディオ CD の形式について
ここでは、CD の作成方法について理解を深めるために、CD 形式に関する背景情報を説明します。
ループ
この章では、ループに関するさまざまな操作について説明します。ループは、多くの演奏音が無限に (または、少なくとも非常に長く) 繰り返される状態をシミュレートするために使用されます。WaveLab Elements には、非常に複雑なタイプのサウンドでもなめらかなループを作成できるツールが用意されています。
基本的なループ
サウンドをループさせることで、サンプルを部分的に何度も繰り返し、無限の長さの反復を作成できます。サンプラーの楽器演奏は、たとえば、オルガンサウンドのループをベースにしています。
ループの調節
「ループ調整 (Loop Tweaker)」ツールを使用すると、オーディオのリージョンを調節してなめらかなループを作成できます。「ループ調整 (Loop Tweaker)」では、既存のループ範囲が適切にループするように調節したり、ループの作成に適していない素材からループを作成したりできます。
ループに適していないオーディオをループさせる
レベルが減衰し続ける音や音色の変化を繰り返す音は、ループさせるのが困難です。「ループ音の均質化 (Loop Tone Uniformizer)」を使用すると、このような音からループを作成できます。
サンプルデータの属性
サンプルデータの属性を使用すると、ハードウェアまたはソフトウェアのサンプラーに読み込ませる前に、オーディオサンプルの設定を定義できます。
オーディオ CD トラックの読み込み
通常の CD からオーディオトラックを読み込み、デジタルコピーとして任意のオーディオ形式でハードディスクに保存できます。
「オーディオ CD の読み込み (Import Audio CD)」ダイアログ
このダイアログでは、オーディオ CD から 1 つ以上のトラックを読み込めます。
オーディオ CD トラックの読み込み
インターネットでのトラック名の検索
CD 情報の FreeDb データベースを使用して、CD に関する情報を検索できます。
インターネットへのトラック名の登録申請
CD 情報の FreeDb データベースに、オーディオ CD の情報を登録申請できます。
多重確認モード
CD トラックの一部を適切に読み込めず、オーディオに望ましくないクリック音やポップ音が発生することがあります。これは、CD ドライブの性能によります。この問題を解決するには、「オーディオ CD の読み込み (Import Audio CD)」ダイアログで「多重確認モード (Ultra-Safe Mode)」をオンにします。
オーディオ CD トラックをオーディオモンタージュに変換
WaveLab Exchange
WaveLab Elements を Cubase Pro、Cubase Artist、Nuendo の外部エディターとして使用できます (逆も同様)。
Cubase/Nuendo の外部エディターとして WaveLab Elements を使用する
Cubase/Nuendo のオーディオイベントを WaveLab Elements で開くことができます。これにより、WaveLab Elements の編集機能を、Cubase/Nuendo のオーディオイベントに適用できます。
WaveLab Elements の外部エディターとして Cubase/Nuendo を使用する
WaveLab Elements のオーディオファイルまたはクリップを使用して作業する場合、そのオーディオファイルのプロジェクトを Cubase/Nuendo で開くことができます。これにより、Cubase 上でミキシング段階での問題を発見したり、これらの問題を Cubase/Nuendo で修正したりできます。
Podcast
Podcast は、携帯デバイスやコンピューターなどでの再生用に、インターネットを介してマルチメディアファイルを配信する方法の 1 つです。
Podcast エディター
Podcast エディターは、2 つのペインに分かれています。上側のペインには、フィードまたはエピソードに関する情報が表示されます。表示される情報は、ウィンドウ下側のリストで選択されている項目によって異なります。このペインでは、Podcast フィードとエピソードに、ファイル、インターネットリンク、またはテキスト情報を追加できます。下側のペインには、基本的なフィードと Podcast に含まれるすべてのエピソードの項目リストが表示されます。
Podcast 全般設定
Podcast エディターのすべてのタブに有効ないくつかの追加オプションがあります。
Podcast の作成
新しい Podcast フィードまたはエピソードの作成には、いくつかの方法があります。
Podcast 公開用 FTP の設定
FTP サーバーに Podcast をアップロードできるようにするには、最初に FTP サーバーの詳細情報を入力しておく必要があります。
Podcast の公開
Podcast は WaveLab Elements から FTP サーバーにアップロードできます。
「FTP 設定 (FTP Settings)」ダイアログ
「FTP 設定 (FTP Settings)」ダイアログでは、Podcast のアップロード処理に必要なすべての情報を管理できます。
Podcast の確認
Podcast を作成および公開したら、アップロードが成功したかどうかを確認できます。
カスタマイズ
カスタマイズとは、プログラムの動作や外観を希望どおりに設定することです。
波形ウィンドウおよびモンタージュウィンドウのカスタマイズ
波形、背景、カーソルラインの色を調節したり、ルーラーなど、ウィンドウの表示詳細を変更して、波形/モンタージュウィンドウを設定できます。
ショートカットのカスタマイズ
WaveLab Elements では、多くの機能をショートカットで制御し、ワークフローを短縮できます。既存のショートカットを編集するか、新しいショートカットを作成できます。
コマンドバーのカスタマイズ
コマンドバーボタンを個別に表示または非表示にできます。これによって、不要なコマンドを削除して、コマンドバーをカスタマイズできます。
プラグインの整理
WaveLab Elements には、さまざまなプラグインが付属しています。また、オプションのプラグインを追加できます。プロジェクトに関連するプラグインを把握するために、プラグインはグループに整理できます。
Touch Bar (macOS のみ)
キーボードの上にある Touch Bar に、WaveLab Elementsの機能のショートカットを割り当てることができます。Touch Bar は、WaveLab Elementsのどこで作業しているかに応じて、使用できるオプションのサブセットが変わります。Touch Bar は、必要に応じてカスタマイズできます。
設定WaveLab Elements
WaveLab Elements は、ニーズに合わせて設定できます。
環境設定
環境設定は、WaveLab Elements 全体に適用される設定です。WaveLab Elements で作業を始める前に、これらの環境設定でニーズに合わせて設定することをおすすめします。
オーディオファイル環境設定
ここでは、オーディオエディターでの編集作業に関する設定を定義できます。ただし、これらの設定はWaveLab Elements の他の部分にも影響を及ぼします。編集および再生に関するデフォルト値を設定したり、波形表示の外観を調節したりできます。また、オーディオファイルとピークファイルに対する WaveLab Elements の動作を設定できます。
オーディオモンタージュの環境設定
ここでは、すべてのオーディオモンタージュまたはアクティブなオーディオモンタージュのみに適用する一般的なパラメーターを設定できます。
複数のコンピューターでの WaveLab Elements の設定の同期
他のコンピューターにインストールした WaveLab Elements 用に、いくつかの設定を保存したファイルを作成できます。これらの設定を他の WaveLab Elements ワークステーションで使用すると、複数のコンピューターで設定の同期を保持できます。
マルチユーザー設定
管理などの目的で、スタジオやスクール内で複数の WaveLab Elements を使用している場合、1 台の WaveLab Elements をマスターとして設定できます。このマスターで共有設定にした環境設定やプリセットは、他の Wavelab で使用できます。