REVerence
REVerence は、オーディオに室内音響効果 (リバーブ) を適用することを目的としたコンボリューションツールです。
オーディオ信号をインパルス応答 (ルームやその他の場所で録音されたインパルスで、各ルームの特性を再現します) に準じて処理する仕組みとなっています。結果として、あたかも同じ場所で演奏されているようなサウンドが得られます。残響音を創出するためにプラグインに用意された実際の空間サンプルは非常に高品位です。
REVerence は、RAM に大きく依存します。これは、プログラムを切り替えた際にも不自然なサウンドが生じないように、プログラムスロットに読み込んだインパルス応答が RAM にあらかじめロードされるためです。したがって、実行するタスクに必要なプログラムのみを常にロードすることをおすすめします。
プログラムマトリックス
プログラムは、インパルス応答とその設定で構成されています。これにはリバーブ設定、EQ 設定、画像、出力設定が含まれます。プログラムマトリックスでは、プログラムをロードしたり、インパルス応答の名前を確認したりできます。
- プログラムの名前
-
プラグインのパネルの左上には、ロードされているインパルス応答ファイルの名前、またはプログラムの名前が表示されます。インパルス応答のロード後は、数秒の間、そのチャンネル数と長さ (単位は秒) が表示されます。
- Browse
-
このボタンをクリックすると、内蔵プログラムをリストアップしたブラウザーウィンドウが開きます。ブラウザーでプログラムを選択すると、アクティブなプログラムスロットにプログラムがロードされます。インパルス応答のリストをルームタイプやチャンネル数などによってフィルタリングするには、「フィルター (Filter)」セクションを有効にします (ブラウザーウィンドウの右上の「ウィンドウレイアウトの設定 (Set Up Window Layout)」ボタンをクリック)。
- Import
-
このボタンをクリックして、ディスクから自作のインパルス応答ファイルを読み込ませることができます。10 秒以下の長さの通常の「.wav」または「.aif」のオーディオファイルをご使用ください。10 秒より長いファイルの場合、自動的にカットされることになります。
- プログラムスロット
-
これらのスロットを使用すると、セッションで使用するすべてのインパルス応答をロードできます。選択されているプログラムスロットは白い枠で示され、使用済みのスロットは別の色で示されます。すでに使用されているスロットは青で示されます。プログラムスロットが赤い場合は、インパルス応答ファイルがないことを示します。空いているプログラムスロットをダブルクリックすると、ブラウザーウィンドウが開いて使用可能なプログラムが表示されます。使用済みのプログラムスロットをクリックすると、対応するインパルス応答が呼び出され、REVerence にロードされます。使用済みのスロットの上にマウスを合わせると、アクティブなプログラムの名前の下に対応するプラグラム名が表示されます。
- Smooth Parameter Changes
-
このボタンは、プログラムスロットと「Store」/「Erase」ボタンの間にあります。オンにした場合、プログラムを切り替えるときにクロスフェードが適用されます。適切なプログラム、あるいはインパルス応答の適切な設定を探しているときは、このボタンをオフのままにしておいてください。プログラムマトリックスの設定が完了したらボタンをオンにし、プログラムの切り替え時にノイズが発生するのを防いでください。
- Store
-
アクティブなインパルス応答とその設定をプログラムとして保存するボタンです。
- Erase
-
保存されたプログラムをマトリックスから削除します。
プログラムとプリセットの比較
REVerence の設定は、VST プラグインのプリセットまたはプログラムとして保存できます。プリセットもプログラムもファイル拡張子 .vstpreset を使用し、MediaBay の同じカテゴリーに表示されますが、両者のアイコンは異なります。
- Preset
-
REVerence プリセット - プラグインのすべての設定とパラメーター、つまり、ロードされたすべてのインパルス応答のリンクならびにパラメーター設定とプログラムマトリックス内の位置を含みます。プリセットは、プラグインのパネル上部の「プリセット (Presets)」ポップアップメニューからロードされます。
補足手動で読み込んだインパルス応答ファイル自体は、プログラムまたはプリセットの一部には含まれません。そのためプロジェクトを別のコンピューターに移す場合、インパルス応答ファイルも移動する必要があります。
- Program
-
REVerence プログラム - 1 つのインパルス応答に関する設定のみを含みます。プログラムは、プログラムマトリックスを使ってロードおよび管理されます。
プリセット
プリセットは、以下の場合に役立ちます。
-
さまざまなインパルス応答を使用した設定一式を、あとで使えるように保存する場合 (さまざまな爆発音を設定し、他のシーンや別の映画で再利用できるようにする場合など)。
-
必要に応じて最適なパラメーターセットをあとで選べるように、同じインパルス応答に対するさまざまなパラメーターのセットを保存する場合。
プログラム
プログラムには以下のような特徴があります。
-
最大 36 のプログラムをすぐに呼び出してプログラムマトリックスにロードできます。
-
それぞれのプログラムを使って、1 つのインパルス応答の設定を素早く簡単に保存したり呼び出したりできるため、ロード時間が短くて済みます。
-
プロジェクトをオートメーション化して REVerence プログラムをロードする場合、書き込むオートメーションイベントは 1 つだけです。
一方、(プログラムよりもはるかに多くの設定が含まれる) プラグインプリセットをロードすると、(使用しなかった設定用の) 多数の不要なオートメーションデータが書き込まれます。