Arpache SX

Arpache SX は多機能なアルペジエーターです。古典的なアルペジオパターンから複雑なシーケンスパターンまであらゆる用途に使用できます。

「Arpeggiator」モードと「Sequencer」モード

Arpache SX には、「Arpeggiator」「Sequencer」という 2 種類のモードがあります。「Arpeggiator」モードの場合、Arpache SX の基本的動作を指定します。「Sequencer」モードでは、1 つの MIDI パートのイベントを「パターン」として使用します。このパターンがアルペジオの土台となり、MIDI 入力と連携します。

Step Size

アルペジオの解像度、つまりスピード設定します。ポップアップメニューの左のボタンでミュージカルタイムベースとリニアタイムベースを切り替えることができます。「Sequencer」モードで「SEQ」をオンにすると、シーケンスのステップサイズを使用できます。

Note Length

アルペジオノートの長さを音価または PPQ ティックで設定します。ポップアップメニューの左のボタンで音価と PPQ ティックを切り替えることができます。「Sequencer」モードで「SEQ」をオンにすると、シーケンスのノートの長さを使用できます。

Velocity

アルペジオ内のノートのベロシティーを決定します。「Use Fixed Velocity」をオンにすると、固定ベロシティーを設定して使用できます。このボタンをオフにすると、演奏するコードのノートのベロシティー値が使用されます。「Sequencer」モードで「SEQ」をオンにすると、シーケンスのノートベロシティーを使用できます。

Pattern Direction

「Arpeggiator」モードで、演奏されたコードのノートをどのようにアルペジオ (分散) するかを選択できます。

Sequence Playback Order

「Sequencer」モードで、シーケンスの再生順序を選択できます。

Sort Mode

コードを演奏すると、アルペジエーターはコードのノートを、ここで指定した順序で並べ替えます。たとえば、「Note Lowest」を選択して「C-E-G」のコードを演奏した場合、「C」が最初のノート、「E」が 2 番めのノート、「G」が 3 番めのノートとなります。結果として、「Arpeggio Style」に設定した場合のアルペジオに影響が及びます。

One-Shot Mode

このオプションをオンにすると、フレーズは一度だけ再生されます。オフにすると、フレーズはループ再生されます。

Transpose

「Off」以外の値を設定すると、アルペジオは上へ/下へ/上下に拡張して演奏されます (モードにより、異なります)。アルペジオの基本パターンを移調し、リピートとして追加する仕組みです。

Repeats

移調されたリピートを何回繰り返すかを設定します。

Pitch Shift

各リピートの移調の値を設定します。

Maximum Polyphony

入力されたコードの内、いくつのノートを受け入れるかを指定します。「Unlimited」を選択すると、ノートは制限されません。

MIDI Thru

これをオンにすると、演奏したノートがプラグインを通過し、アルペジオのノートと一緒に出力されます。

「Sequencer」モードの設定

「Sequencer」モードでは、プロジェクトウィンドウからプラグインパネルにドラッグすることで、1 つの MIDI パートを Arpache SX に読み込ませることができます。

「Sort MIDI Sequence by Pitch」がオンの場合、ドロップされた MIDI パートのノートはピッチによって並べ替えられます。オフの場合、ノートは演奏順で並べ替えられます。たとえば、MIDI パートに C-E-G-A-E-C といったノートが含まれる場合、ピッチで並べ替えると 1-2-3-4-2-1 といった順序になります。この場合、4 種類のノートと 6 つのトリガーポジションがあるということになります。

「Step Size」「Note Length」、あるいは「Velocity」「SEQ」をオンにすると、ドロップした MIDI ファイルのオリジナルのタイミング、デュレーション、またはベロシティーを保持できます。

MIDI 入力 (演奏したコード) からナンバーのリストが 1 つ作成されます。このリストでは、コード内の各ノートが「Sort Mode」設定に応じたナンバーに対応しています。

そして、2 つのリストが突き合わされ、Arpache SX はドロップされた MIDI パートのパターンを、MIDI 入力のノートを使用して再生しようと試みます。その結果は、「Play Mode」設定により異なるものとなります。以下の「Play Mode」オプションを利用できます。

Trigger

ドロップした MIDI ファイルのパターン全体が再生されますが、MIDI 入力のノートに合わせて移調されています。移調にどのノートが使用されるかは、「Sort Mode」設定に依存します。

Trigger Continue

基本動作は上記と同様ですが、すべての鍵盤から指を放した場合でも、新たな鍵盤が押されるとフレーズが途中 (中断された位置) から続行します。Arpache SX をライブで演奏する場合に効果的です。

Sort Normal

MIDI 入力のノートを、ドロップした MIDI ファイルのノートに適合させます。MIDI 入力のノートが少ない場合、アルペジオのいくつかのステップが欠けたままになります。

Sort First

上記と同様ですが、MIDI 入力のノートが少ない場合、ノートの不足分には最初のノートが適用されます。

Sort Any

上記と同様ですが、MIDI 入力のノートが少ない場合、ノートの不足分にはランダムなノートが適用されます。

Arpeggio Style

上記と同様ですが、MIDI 入力のノートが少ない場合、ノートの不足分にはアルペジオで有効な最後のノートが適用されます。

Repeat

このモードでは、演奏したコードがノートに分散されることはありません。コードはそのまま使用され、ドロップされた MIDI パートのリズムのみが再生に使用されることになります。

Voicings

読み込んだ MIDI シーケンスのパターン全体を、ボイシングを使用して再生します。MIDI 入力を介してコードイベントを再生すると、再生される MIDI シーケンスノートのピッチの値を決定する一時ボイシングが追加で生成されます。

補足

そのためには、読み込まれる MIDI シーケンスにボイシング情報が含まれている必要があります。