以下の例では、録音と再生を行なうメインのコンピューターを 1 台、バーチャルシンセラック用にもう 1 台のコンピューターを使用することにします。
手順
- コンピューター 1 の MIDI トラックで MIDI 録音を行ないます。
- MIDI 録音が終了したら、その MIDI トラックの MIDI 出力先に「VST System Link MIDI port 1」を選択します。
- コンピューター 2 で「VST インストゥルメント (VST Instruments)」ウィンドウを開き、ラックの最初のスロットにインストゥルメントを割り当てます。
- VST インストゥルメントチャンネルを、希望する出力バスにルーティングします。
コンピューター 1 をメインのミキシングコンピューターとする場合、ここではコンピューター 1 に接続された VST System Link 出力バスの 1 つに接続します。
- コンピューター 2 で新しい MIDI トラックを作成し、その MIDI トラックの MIDI 出力先に、起動した VST インストゥルメントを割り当てます。
- そのトラックの MIDI 入力ポートとして「VST System Link 1 port 1」を選択します。
これで、コンピューター 1 の MIDI トラックの出力は、コンピューター 2 で VST インストゥルメントにルーティングされた MIDI トラックに送られます。
- コンピューター 2 の MIDI トラックのモニタリング機能をオンにします。これで、コンピューター 2 は、入力されるすべての MIDI データを受信し、それに応答できるようになります。
Cubase のインスペクターかトラックリストの「モニタリング (Monitor)」ボタンをクリックしてください。
- コンピューター 1 で再生を開始します。
コンピューター 1 の MIDI トラックのデータが、コンピューター 2 に起動した VST インストゥルメントに送信されます。
結果
この方法を利用すると、比較的パフォーマンスの低いコンピューターでも同時に多数の VST インストゥルメントを使用できます。これによって、サウンドのパレットが大きく広がるでしょう。VST System Link では MIDI データもサンプル単位の精度で扱えます。これまでに開発された、どんなハードウェア MIDI インターフェースよりも、はるかに正確なタイミングが得られます。