エクスプレッションマップ
エクスプレッションマップは、プロジェクトにロードした VST インストゥルメントのパッチやサウンドを適切に使用する方法を Dorico SE に伝えるためのものです。
インストゥルメントの強弱の幅を表現するということは、音符のボリュームやアタックを変更するということです。アタックの強さは音の立ち上がりの特徴とボリュームを左右するため、多くの場合、大きい音にはアタックを強く、静かなサウンドにはアタックを弱くする必要があります。
パッチおよびインストゥルメントは、それぞれが異なるアプローチで再生時に強弱やボリュームを変更します。たとえば、ベロシティーのみを変更するパッチのほかに、ベロシティーの変更とコントローラーを組み合わせて使用するパッチもあります。
Dorico SE では、エクスプレッションマップを使用して、プロジェクトの各パッチでサポートされている再生効果を指定することもできます。たとえば、バイオリンのような弦楽器には arco、pizzicato、col legno などのさまざまな演奏技法があり、さらに弾く際の弦の位置も sul ponticello から sul tasto まであります。
Dorico SE には HALion Symphonic Orchestra のエクスプレッションマップに加え、さらに以下のエクスプレッションマップがあります。
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CC11 ダイナミクス (CC11 Dynamics): 強弱記号の演奏に MIDI コントローラー 11 を使用します。
補足これはバイオリンやフルートのような、演奏中に強弱を変更できるインストゥルメントにのみ適用されます。
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デフォルト (Default): 強弱のボリュームのコントロールに、ノートベロシティーを使用します。
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モジュレーションホイールダイナミクス (Modulation Wheel Dynamics): 強弱のボリュームのコントロールに、モジュレーションホイールを使用します。
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1 オクターブ下に移調 (Transpose down 1 octave): フルレンジキーボードなしでも演奏できるように、記譜された音符より 1 オクターブ高く演奏する一部のインストゥルメントのパッチに使用されます。
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1 オクターブ移調 (Transpose up 1 octave): キーボードの一番下のオクターブを音符ではなくキースイッチに使用できます。ただし、一番下のオクターブは、記譜された音符より 1 オクターブ低く演奏することでフルレンジキーボードなしでも演奏できる一部のベースインストゥルメントのパッチに使用されることもあります。
「エクスプレッションマップ (Expression Maps)」ダイアログでは、エクスプレッションマップを編集、作成、および読み込み/書き出しできます。エクスプレッションマップは .doricolib ファイルとして保存されます。
Dorico SE と Cubase ではエクスプレッションマップへのアプローチ方法が異なりますが、ピチカート、ハーモニクス、フラッタータンギングなど、Cubase から読み込まれるスイッチの多くはエクスプレッションマップから Dorico SE に正しく読み込まれます。