ADR モード

Nuendo には、自動モードと Free Run モードという 2 つの ADR モードがあり、モードによってマーカーとプロジェクトカーソルの使い方が異なります。

自動モード (「Free Run」がオフの場合)

このモードでは、選択したマーカーの位置と長さに基づいてテイクを録音できます。各 ADR ステータスでは、以下の処理が行なわれます。

• 「Rehearse」をクリックすると、選択したマーカーの位置と長さに対応するロケーターの範囲がプロジェクトウィンドウのルーラーで選択されます。プロジェクトカーソルがプリロールフェーズの開始位置にジャンプし、再生が開始されます。終了位置に達すると、プロジェクトカーソルが開始位置に自動的に戻ります。

• 「Record」をクリックすると、プロジェクトカーソルがプリロールフェーズの開始位置にジャンプし、再生が開始されます。左ロケーター位置に達すると、録音が開始されます。ポストロールフェーズの終了位置に達すると、録音が自動的に停止し、プロジェクトカーソルが左ロケーターに戻ります。録音されたイベントは、この位置に自動的にサイズ変更されます。

• 「Review」をクリックすると、プロジェクトカーソルがプリロールフェーズの開始位置にジャンプし、再生が開始されます。ポストロールフェーズの終了位置に達すると、再生が自動的に停止し、プロジェクトカーソルがテイクの開始位置に戻ります。

「Free Run」がオンの場合

Free Run モードをオンにすると、より柔軟にテイクを録音できます。このモードでは、プロジェクトカーソルの位置を ADR の開始位置として使用します。プロジェクトカーソルの位置を手動で設定するか、マーカーリストのマーカーを使用できます。Free Run モードの動作は以下のとおりです。

• 「Rehearse」をクリックすると、左ロケーターがプロジェクトカーソル位置に設定され、そこから再生が開始されます。プリロールがオンになっている場合、「ADR 設定 (ADR Setup)」ウィンドウで設定した「プリロール (Pre-roll)」のあとに再生が開始されます。「Stop」をクリックすると、再生が停止します。

• 「Record」をクリックすると、プロジェクトカーソルがテイクの開始位置にジャンプし、録音が開始されます。プリロールがオンになっている場合、プリロールフェーズの開始位置で再生が開始され、テイクの開始位置に達したときに録音が開始されます。「Stop」をクリックすると、録音が停止します。

• 「Review」をクリックすると、プロジェクトカーソルがテイクの開始位置にジャンプし、再生が開始されます。プリロールがオンになっている場合、プリロールフェーズの開始位置で再生が開始されます。「Stop」をクリックすると、再生が停止します。

  補足

  「環境設定 (Preferences)」ダイアログの「トランスポート (Transport)」ページの「停止時に開始位置に戻る (Return to Start Position on Stop)」がオンになっている場合、プロジェクトカーソルがテイクの開始位置に戻ります。